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SBTi中小企業ルート2026年版:科学的根拠に基づく目標の設定方法

基礎知識
Eleanor Penney
Eleanor Penney
排出量・脱炭素化スペシャリスト
SBTi中小企業ルート2026年版:科学的根拠に基づく目標の設定方法

本記事は、通常の企業向けプロセスの費用や手間をかけずに、信頼性が高く広く認知された気候目標を設定したい中小企業の方に向けたガイドです。SBTiの中小企業(SME)ルートを利用できる企業の条件、コミットする内容、2026年の申請方法、そしてSBTi企業ネットゼロ新基準V2.0が中小企業にとって何を意味するのかを説明します。

SBTiとは? Science Based Targets initiative(SBTi)は、企業の温室効果ガス削減目標に関する基準を定める機関であり、その妥当性検証機関であるSBTi Servicesが、目標が基準に適合しているかを審査します。科学的根拠に基づく目標(SBT)とは、気温上昇を1.5℃に抑えるというパリ協定の目標と整合する排出削減目標です。妥当性検証を受けることで、自社の目標が独立した基準を満たしていることを顧客や投資家に示せます。

自社は中小企業ルートを利用できるか?

中小企業ルートは、妥当性検証済みの短期目標を取得するための簡素化された手続きです。SBTiは2024年1月1日から、次の中小企業の定義を用いています。次の4つの条件をすべて満たす必要があります。

  • スコープ1とロケーション基準のスコープ2の合計排出量が10,000 tCO2e未満であること
  • 金融機関または石油・ガス会社ではないこと
  • セクター別の手法(セクター別脱炭素化アプローチなど)の使用が義務付けられていないこと
  • 事業全体として標準の妥当性検証ルートの対象となる親会社の子会社ではないこと

さらに、次の4つのうち少なくとも3つを満たす必要があります。

  • 従業員数が250人未満
  • 売上高が5,000万ユーロ未満
  • 総資産が2,500万ユーロ未満
  • 森林・土地・農業(FLAG)目標の設定が求められるセクターに属していない

スコープ2の数値がはっきりしない場合は、基準値にはロケーション基準の数値を用いる点に注意してください。グリーン電力メニューなどを反映したマーケット基準の数値ではありません。この違いについては、スコープ1、2、3排出量に関するガイドで説明しています。

中小企業がコミットする目標とは?

中小企業は、独自の目標をモデリングする代わりに、あらかじめ用意された選択肢から目標を選びます。そのため、個別のコミットメント段階や標準の妥当性検証プロセスを省略できます。現行の基準(V1.3.1)では、中小企業の目標は次の3つで構成されます。

  • スコープ1・2の短期目標:SBTiが提示する選択肢から選んだ基準年を起点に、2030年までにスコープ1・2排出量を絶対量で削減する目標です。必要な削減率は、選んだ基準年によって異なります。公開されている中小企業の目標の多くは、「2030年までにスコープ1・2の絶対排出量を42%削減する」といった形になっています。
  • スコープ3のコミットメント:スコープ3排出量を測定し、削減することへのコミットメントです。中小企業ルートでは、スコープ3について定量的な目標を設定する必要はありません。
  • ネットゼロ(任意):中小企業は長期のネットゼロ目標を設定することもできますが、必須ではありません。

目標設定の手順

  1. 基準となるフットプリントを算定する。GHGプロトコル企業基準に沿って、スコープ1、2、3の排出量を算定します。スコープ3は数値目標ではなくコミットメントですが、進捗を示すためには測定が必要です。
  2. 基準年を選ぶ。データがそろっていて検証可能であり、通常の事業運営を反映している直近の年を選びます。一時的な出来事で数値が大きく変動した年は避け、事業に大きな変化があった場合に再計算できるよう、算定方法を記録しておきます。
  3. 対象条件を確認し、中小企業ルートで申請する。上記の条件をグループ全体の構成に照らして確認したうえで、中小企業向けの申請を行い、SBTi Servicesに妥当性検証の手数料を支払います。SBTiはまず対象条件を確認し、その後に目標を審査して公開します。
  4. 目標を発信する。妥当性検証が完了すると、目標はSBTiの公開ダッシュボードに掲載されます。SBTiが承認した目標の文言をそのまま使い、顧客、従業員、投資家に共有しましょう。
  5. 毎年進捗を報告する。排出量と目標に対する進捗を毎年公表し、削減を続けます。スコープ3へのコミットメントにより、サプライヤーやバリューチェーンの排出についての取り組みも示す必要があります。

企業ネットゼロ新基準V2.0で何が変わるのか?

SBTiは2026年6月に企業ネットゼロ基準V2.0を公表しました。中小企業にとっての主なポイントは次のとおりです。

  • 時期:2026年中はV1.3.1が引き続き適用される枠組みです。V2.0に基づく妥当性検証は2027年2月1日から始まり、V1.3.1での新規申請は2028年1月31日まで受け付けられます。2028年2月1日以降、新規申請はすべてV2.0に従う必要があります(SBTi)。
  • 中小企業ルートに代わるカテゴリ:V2.0では、企業をカテゴリAまたはカテゴリBに分類します。基準のエグゼクティブサマリーによると、カテゴリBは、すべての国における小企業と低所得国における中規模企業が対象で、売上高などの基準で定義されます。
  • カテゴリBの要件は軽減:スコープ1・2の短期目標はすべての企業に必須です。カテゴリBでは、スコープ3目標と移行計画の開示は任意で、基準年の保証は必須ではなく推奨にとどまります。
  • 今すべきこと:SBTiは、2026年または2027年にコミットメントや更新の期限を迎える企業に対し、引き続きV1.3.1を使うよう勧めています。また、カテゴリBの分類に該当する企業は、現行基準のもとで中小企業としての扱いを申請できるとしています。

V2.0の手続き全体については、SBTi企業ネットゼロ新基準V2.0のもとで目標を設定する方法をご覧ください。初めて目標を設定する場合は、コミットメントの期限を扱ったV2.0のもとで初めてSBTi目標を設定する方法をお読みください。すでに目標を設定している企業は、既存のSBTi目標をV2.0基準に移行する方法をご覧ください。

よくある間違い

  • グループ全体ではなく、1つの法人だけで対象条件を確認する。親会社の事業全体が標準ルートの対象となる場合、中小企業ルートは利用できません。
  • データが不十分な年を基準年に選ぶ。基準年のデータに欠けがあると、後で進捗を示すことが難しくなり、再計算が必要になる場合があります。
  • スコープ3のコミットメントを任意のものとして扱う。スコープ3の測定と削減にコミットする以上、表明だけでなくデータと計画が必要です。
  • V2.0を待ってから着手する。SBTi自身のガイダンスでは、2026年と2027年に設定する目標にはV1.3.1を使うこととされており、基準年の算定作業はどちらのバージョンでも同じです。

Zeveroの支援内容

Zeveroのプラットフォームは、GHGプロトコルに沿ってスコープ1、2、3にわたる組織のカーボンフットプリントを算定し、毎年繰り返し使える基準年のインベントリを作成します。社内のカーボン専門家が、中小企業ルートの対象条件の確認、基準年の選定、申請の準備、そして妥当性検証後の目標に対する進捗の追跡を支援します。

SBTiの目標設定についてご相談をご希望の方は、デモをご予約ください。

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よくある質問

中小企業がSBTiの妥当性検証を受ける費用はいくらですか?
中小企業の目標の妥当性検証にはどのくらいの期間がかかりますか?
中小企業はスコープ3の目標を設定する必要がありますか?
成長して中小企業の基準を超えた場合はどうなりますか?
SBTiの目標設定は義務ですか?

お読みいただきありがとうございます。

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