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国別EPD要件:メーカー向けガイド

基礎知識
Jasmine Saini
Jasmine Saini
シニアカーボンコンサルタント
国別EPD要件:メーカー向けガイド

要点まとめ

  • EPD要件は市場によって大きく異なります。EU、フランス、マレーシア(特定の輸入鉄鋼製品)、カリフォルニア州(対象となる公共工事の指定資材)など、EPDの義務やプロジェクト単位の要件がある市場はすでに複数あります。ドイツ、ベルギー、オランダ、スウェーデン、英国、カナダ、オーストラリア、日本、スペインでは、一律の法的義務がなくても、建築物単位のLCA、認証、調達の要件がEPDへの強い需要を生んでいます。
  • EPDは国境を越えて互換性があるとは限りません。市場ごとに規格、プログラム運営者、データベースが異なります。EU CPRの要件を満たすEPDが米国の州の調達ルールを満たすとは限らず、その逆も同様です。複数の市場で事業を行うメーカーは、どこでどの規格が適用されるかを明確に把握する必要があります。
  • 調達側の期待は法規制より速く進んでいます。LEED、BREEAM、Green Star、EC3のような公共調達ツールにより、法的義務のない市場でもEPDがないことが商業的に目立つようになっています。義務化を待っていると、規制ができる前に入札で負けることになります。

環境製品宣言(EPD)は製品の環境影響を第三者検証済みのデータで示す文書で、その要件は国や地域によって大きく異なります。適格なEPDが義務となる市場もあれば、建築物単位のライフサイクルアセスメント(LCA)規制、公共調達基準、グリーンビルディング認証が、製品単位の一律の義務を課さずに強い商業的需要を生み出している市場もあります。この違いは重要です。建築物の評価が義務であっても、すべての製品にEPDが必要とは限りません。また、あるデータベースや調達当局が受け入れるEPDでも、別の市場で使うには追加の確認が必要になる場合があります。

国際的に事業を展開するメーカーにとっての課題は、こうした要件が国ごとに大きく異なることです。フランスに販売するメーカーとカリフォルニア州に販売するメーカーでは適用されるルールが異なり、英国や日本ではさらに別のルールがあります。ある市場の要件を満たすEPDが、別の市場でも通用するとは限りません。

本記事では、EPD要件の現状、その背景、企業が今取り組むべきことを市場ごとに整理します。

EPDとは何ですか?

環境製品宣言(EPD)は、原材料の採取から廃棄まで、定められたライフサイクル段階における製品の環境影響を報告する、標準化された第三者検証済みの文書です。製品カテゴリールール(PCR)に従って実施するライフサイクルアセスメント(LCA)に基づき、ISO 14025によって規定されています。EPDは検証済みの標準化された環境データを提供し、互換性のあるルール、範囲、前提条件で作成された宣言同士であれば、製品間の比較にも役立ちます。規制当局、認証制度、調達チームが製品の環境性能を評価する際に必要とするのは、こうした情報です。

なぜEPD要件は広がっているのですか?

EPDの位置づけを、任意のベストプラクティスから市場参入の条件へと押し上げている要因は3つあります。

  • 規制の圧力。主要市場では、新たな法規制や改正によって、製品の環境データが調達や市場参入の条件に組み込まれつつあります。EUの改正建設製品規則(CPR、Regulation 2024/3110)と建築物エネルギー性能指令(EPBD)は、建設分野で製品単位の環境データを求める主要な規制要因です。詳しくは次のセクションで取り上げます。
  • グリーンビルディング認証。BREEAM、LEEDなどの認証制度はEPDを評価または要求しており、規制が追いついていない市場でも事実上の商業的需要を生んでいます。認証取得を目指すプロジェクトでは、EPDのない製品は競争上不利になる可能性があります。
  • 調達側の期待。特に北ヨーロッパと北米では、官民の発注者がライフサイクルの環境データで入札を評価する例が増えています。Embodied Carbon in Construction Calculator(EC3)などのツールにより、法的義務のない市場でもEPDがないことが商業的に目立つようになっています。

こうした分断の実務上の影響の1つは、EPDが国境を越えて互換性を持たないことです。この点は、以下の国別の整理の後で詳しく説明します。

国・地域別のEPD要件

欧州連合(EU)

現状:環境性能の開示が義務(製品カテゴリごとに段階適用)
主な枠組み:建設製品規則(Regulation 2024/3110)、EPBD

改正建設製品規則(CPR)は2024年12月18日に公布、2025年1月7日に発効し、大半の規定は2026年1月8日から適用されています。対象となる建設製品について、環境持続可能性データを性能・適合宣言(DoPC)の必須項目としています。DoPCは、2011年のCPRにおける性能宣言(DoP)に代わるものです。

CPRは環境持続可能性情報を3段階でDoPCに組み込みます。第1グループの環境特性は2026年1月8日から、第2グループは2030年1月9日から、ライフサイクル指標の全項目は2032年1月9日から適用されます。2011年CPRからの移行は、整合規格が製品カテゴリごとに更新されるのに合わせて2032年まで続きます。

建築物エネルギー性能指令(EPBD)は、延床面積1,000平方メートルを超える新築建築物には2028年までに、すべての新築建築物には2030年までに、ライフサイクル全体の地球温暖化係数(GWP)の評価を求めており、製品単位のEPDデータへの直接的な需要を生んでいます。

EN 15804+A2は建設製品EPDの主要な欧州規格で、EUにおける製品単位の環境データの枠組みの多くの基礎となっています。旧版のA1に基づくEPDは段階的に廃止されています。

フランス

現状:建築物単位のLCAが義務。製品別のFDESが大きく有利
主な枠組み:RE2020

フランスでは、RE2020により2022年1月から建築物のライフサイクルカーボン評価が義務化されました。RE2020の計算には、建設製品の環境・健康宣言(主にFDES)がフランスの制度を通じて利用できる必要があり、INIESがその参照データベースです。外国のプログラムで作成した宣言は、通常そのままINIESに登録できず、まずフランスのプログラムと検証の要件を満たす必要があります。

INIESは世界最大級のEPDデータベースの1つで、フランス市場におけるEPD公開の主要なプラットフォームです。ただし、一部の製品カテゴリにはまだデータの空白があり、国が提供する平均値で代用している製品もあります。フランス市場を狙う海外メーカーにとって、認定検証者の数は実務上のボトルネックになるため、早い段階で確認しておくべきです。

ドイツ

現状:建築物単位の要件があり、EPDへの市場需要が強い
主な枠組み:IBUプログラム

ドイツのInstitut Bauen und Umwelt(IBU、建設・環境研究所)は欧州最大級のEPDプログラム運営者で、IBU登録のEPDはEU市場全体で広く使われ、認知されています。公的資金による建築物ではライフサイクル影響評価を求める例が増えており、検証済みEPDへの需要が高まっています。EU市場への幅広い参入を目指すメーカーにとって、IBUはよく選ばれるプログラム運営者です。

ベルギー

現状:環境主張を行う場合は義務。それ以外は調達と評価が主導
主な枠組み:環境主張に関する2014年5月22日の王令

ベルギーの取り組みは、単一の全国的な義務ではなく、地域と連邦の仕組みを通じた建築物単位の環境性能要件と公共調達によって進んでいます。メーカーが建設製品について環境主張を行う場合に、要件を満たし登録されたB-EPDを求め始めたのは2014年5月22日の王令です。B-EPDプログラムはベルギーでEPDを公開するルートであり、プロジェクトや評価手法によっては、INIESやIBUなど他の認定プログラムのEPDも使えます。メーカーは、EN 15804+A2準拠のEPDであれば自動的に受け入れられると考えず、プロジェクトが求めるデータベースと手法を確認すべきです。

オランダ

現状:建築物単位で義務

主な枠組み:建築物環境性能(MPG)、国家環境データベース(NMD)

オランダは、内包炭素の評価で欧州でも特に進んだ市場の1つです。建築物環境性能(MPG)の手法により、新築住宅と多くのオフィス開発で環境性能の計算が義務付けられており、2026年7月1日からは学校、店舗、介護施設、産業用建築物にも初めて対象が広がりました。国家環境データベース(NMD)に登録された製品別EPDを使えば、汎用の既定値を検証済みの製品データに置き換えられます。これにより環境性能の計算結果が改善することが多く、仕様選定や調達の場面で競争上の優位にもなります。

すべての建設製品にEPDが義務付けられているわけではありませんが、プロジェクトチームが汎用データセットではなく製品固有の環境データを使えるため、製品別EPDはメーカーにとって大きな強みになります。認められた規格はEN 15804+A2で、公式の建築物評価に使うにはEPDがNMDに受理される必要があります。

スペイン

現状:EUの枠組みのもとで市場主導

主な枠組み:GlobalEPDプログラム

スペインはEUの建設製品規則に従い、建設製品EPDにはEN 15804+A2を適用しています。現時点でEU法を超えるスペイン独自の製品単位のEPD義務はありませんが、公共調達、グリーンビルディング認証、建設プロジェクトでのホールライフカーボン評価の普及を通じて、需要は拡大を続けています。

GlobalEPDプログラムはスペインの国家EPDプログラム運営者で、ECO Platformを通じて国際的に認められています。スペインと欧州の他市場の両方に供給するメーカーにとって、GlobalEPDは欧州の多くの地域で受け入れられるEN 15804準拠の宣言を公開するルートになります。

北欧諸国(スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェー)

現状:建築物単位のLCAと気候報告の要件
主な枠組み:各国の建築規制

スウェーデンは1998年に世界初のEPDプログラムを立ち上げ、以来EPDの普及を主導してきました。2022年からは、市場に出るすべての新築建築物に気候宣言を求めています。デンマーク、フィンランド、ノルウェーもそれぞれ、建築物単位の気候評価やライフサイクル評価を求める、または後押しする国内措置を導入しており、EPDなど製品単位の環境データへの需要を生んでいます。北欧の建設市場に販売するメーカーにとって、製品単位で義務付ける規制の有無にかかわらず、EPDは事実上の取引の前提条件です。

英国

現状:市場主導
主な枠組み:BREEAM、UK Net Zero Carbon Buildings Standard(任意、2026年3月開始)、RICS Whole Life Carbon Assessment Professional Standard

2026年半ば時点で、英国ではEPDは法的義務ではありません。英国政府は、大規模開発へのホールライフカーボン評価の義務化を求める環境監査委員会の勧告を退けており、建築規制上の義務化の日程も確定していません。

ただし、市場主導の普及は進んでいます。BREEAMのクレジット、公共調達の要件、仕様決定者の期待の高まりにより、英国の建設市場に供給する多くのメーカーは、入札で競うにはEPDが事実上必要だと考えています。2026年3月10日に開始されたUK Net Zero Carbon Buildings Standardは、適用を選んだプロジェクトに対し、初期の内包炭素と運用エネルギーについてセクター別の性能基準を定める任意の業界枠組みで、評価手法にEPDデータを組み込んでいます。

英国市場では複数のプログラム運営者が活動しています。International EPD Systemは英国のEPDで最も広く使われているプログラム運営者の1つで、BREも国内のEPDプログラムを運営しています。

オーストラリア・ニュージーランド

現状:市場主導
主な枠組み:Green Star(Green Building Council of Australia)、IS Rating Scheme(Infrastructure Sustainability Council)、オーストラリア政府のEnvironmentally Sustainable Procurement Policy

現在、オーストラリアとニュージーランドには国としてのEPD義務はありません。EPDの普及は、法規制ではなくグリーンビルディング認証制度と調達側の期待によって進んでいます。

EPD Australasiaは両市場の地域プログラム運営者で、International EPD Systemの地域パートナーとして運営されています。Green StarのResponsible Products Frameworkでは、EPD Australasiaを通じて公開された製品別EPDのResponsible Product Value(RPV)が5から7に引き上げられました。これはGreen Starのプロジェクト単位のポイントとは別の仕組みですが、Green Star認証プロジェクトでのクレジット要件の達成に寄与します。2024年7月1日からは、オーストラリア政府のEnvironmentally Sustainable Procurement Policyが、750万豪ドル以上の連邦政府の建設サービス調達に適用されており、2025年7月1日からは対象の製品カテゴリが追加されました。この方針は環境持続可能性への配慮と報告を求めるもので、EPDを一律に義務付けるものではありませんが、検証済みの宣言は公共入札で実務上の強みになります。

日本

現状:製品単位の義務はなし。建築物のライフサイクルカーボン評価制度を準備中
主な枠組み:SuMPO EPD、改正建築物省エネ法(建築物LCA制度)、CASBEE

2026年半ば時点で、日本には建設製品に対するEPDの義務はありません。日本の主要なEPDプログラムは、一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)が運営するSuMPO環境ラベルプログラムです。2024年4月に旧称「エコリーフ」から「SuMPO EPD」に名称を変更しており、ISO 14025に沿って運営され、建築分野のEPDはISO 21930に準拠しています。多くの製品カテゴリでEPDを公開しています。グリーンビルディング認証のCASBEEはLCA関連の評価項目を含みますが、製品単位のEPDは義務付けていません。

一方で、建築物単位の制度づくりは進んでいます。国土交通省は建築物省エネ法を改正し、建材の製造から施工、運用、解体までの建築物のライフサイクル全体のCO2排出量を算定・評価する制度を設けました。国土交通省は2028年度を目途にこの制度を開始する方針で、まず大規模な事務所などの新築を対象に、建築主による算定・評価結果の国への届出が求められる見込みです。対象規模は今後政令で定められます。国はあわせて建材・設備のCO2排出量原単位を整備する方針も示しており、建材メーカーにとって製品別の環境データの重要性が高まっています。

日本へ輸出するメーカーにとって、International EPD Systemで作成したEPDも認められますが、国内市場ではSuMPO EPDに登録された宣言が好まれる傾向があります。

マレーシア

現状:輸入鉄鋼製品には義務。建設分野全体では市場主導
主な枠組み:投資貿易産業省(MITI)の承認証明書(Certificate of Approval)手続き(SIRIM QAS Internationalが運用)

2025年10月1日から、特定の長尺鉄鋼製品の輸入者は、マレーシアの承認証明書手続きの一環としてEPDの提出が求められています。対象カテゴリには、棒鋼、冷間引抜棒鋼、線材、線材製品が含まれます。

SIRIMの要件では、EPDはISO 14025に従って第三者検証者または認証機関の検証を受け、英語で公開され、ゆりかごからゲートまでのシステム境界で地球温暖化係数(GWP)を報告する必要があります。

EPDを取得中の輸入者には、当初、経過措置として誓約書(Letter of Undertaking)の提出が認められていました。この措置は2026年6月30日に終了しました。現在、必要なEPDを提出できない輸入者は対象製品の輸入を禁止されており、マレーシアの入国地点に到着した要件不適合の貨物は、原産国または他国へ返送しなければなりません。

これらの指定輸入品以外については、マレーシアは現在、建設製品市場全体にEPDを一律に義務付けていません。需要は、グリーンビルディング評価と調達側の期待によって生まれています。

カナダ

現状:対象となる連邦政府の建設プロジェクトでは内包炭素の開示と削減が義務。それ以外は市場主導

主な枠組み:Policy on Green Procurement、Greening Government Strategy、Standard on Embodied Carbon in Construction

カナダは現在、建設製品に全国一律のEPD義務を課していません。ただし、連邦政府のStandard on Embodied Carbon in Constructionは、Policy on Green Procurementの対象となる組織に対し、対象となる連邦政府の建設・改修プロジェクトで内包炭素を開示し、削減することを求めています。

資材別の要件は現在、生コンクリートと構造用・補強用鋼材が対象です。生コンクリートについては、使用量が100立方メートル以上の対象プロジェクトに適用され、現在のプロジェクト規模の基準は500万カナダドルです。鋼材の要件は、対象となる炭素鋼・低合金鋼製品の合計が200トン以上の場合に適用されます。対象となる鋼材カテゴリには、鉄筋、構造用形鋼、構造用中空形鋼、構造用鋼板、鋼製ジョイストとデッキ、冷間成形形鋼、マーチャントバー、熱間・冷間圧延の薄板・帯鋼・厚板が含まれます。

環境影響は、原則として入手可能な最も詳細度の高い適格EPDで裏付けます。EPDがすぐに入手できない場合は、独立したレビューを受けた適格なLCAで代替できます。これらの要件は、連邦政府の調達とインフラ投資を通じて低炭素建設資材の需要を高める、カナダのBuy Cleanの取り組みを具体化するものです。

連邦政府の調達以外でも、グリーンビルディング認証がEPDの需要を生んでいます。カナダのLEEDプロジェクトでは、EPDを持つ適格製品を選ぶことでクレジットを獲得できます。カナダ・グリーンビルディング協会のZero Carbon Building Standardは異なるアプローチを取っており、建築物全体のライフサイクルアセスメントと内包炭素の上限値の遵守を求めます。製品単位のEPDに特定のクレジットを与えるものではありませんが、製品固有の環境データは建築物評価の精度を高め、プロジェクトチームが削減を示す助けになります。

ISO 21930は北米における建設製品EPDの主要な枠組みで、CSA GroupやUL Solutionsなどのプログラム運営者がEPDの公開を支援しています。カナダと米国の両方に供給するメーカーにとって有用な共通の出発点になりますが、受け入れられるかどうかは、適用されるPCR、プログラム、調達当局、用途によって異なります。

国・地域現状主な推進要因規格・プログラム
EU義務(段階適用)CPR、EPBDEN 15804+A2
フランス義務RE2020INIES
ドイツ建築物単位の要件IBUEN 15804+A2
ベルギー環境主張を行う場合は義務2014年王令EN 15804+A2
オランダ建築物単位で義務MPG / NMDEN 15804+A2
スペイン市場主導EU CPRGlobalEPD
北欧諸国建築物単位で義務各国のLCA要件EN 15804+A2
英国市場主導BREEAMBRE / International EPD
カナダ連邦政府のプロジェクトでは義務Standard on Embodied CarbonISO 21930
オーストラリア・ニュージーランド市場主導Green StarEPD Australasia
日本新興(建築物LCA制度を準備中)CASBEE、建築物LCA制度(2028年度目途)SuMPO EPD
マレーシア一部義務MITI承認証明書ISO 14025

実務への影響:EPDの分断という課題

すべてのEPDが国境を越えて互換性を持つわけではありません。国によって、プログラム運営者、規格、データベースが異なります。他のプログラムで作成したEPDは、INIESに登録する前に、フランスの検証・公開要件を満たすための追加手続きが必要になる場合があります。米国のISO 21930に基づくEPDは、EU CPRに対応するために作り直しが必要になる場合があります。複数の市場で事業を行うメーカーや、複雑なグローバルサプライチェーンを持つ企業にとって、どの市場でどのEPD規格が適用されるかを把握することは、調達のデューデリジェンスやサプライヤー登録の一部になりつつあります。

国際的に最も幅広く受け入れられている基準はEN 15804+A2です。北米ではISO 21930が広く使われています。両方を受け入れる市場も多くあります。EU市場への参入を優先するメーカーにとってEN 15804+A2は重要な出発点ですが、適用されるPCR、整合技術仕様、各国やプロジェクト固有の要件もあわせて確認する必要があります。

EPD対応で押さえるべきポイントは?

  • まず市場との関わりを把握する。EPDの作成に着手する前に、製品やサプライヤーが関わる国・地域を特定し、各市場の現行のEPD要件を確認します。要件は国だけでなく製品カテゴリによっても異なります。
  • 影響の大きい製品カテゴリを優先する。鉄鋼、コンクリート、断熱材など炭素集約度の高い資材は、いくつかの低炭素調達や建築政策の制度で早期に重点対象となっています。これらの資材を扱うメーカーや調達チームは、EPDへの対応を急ぐべきです。
  • 義務化の期限を待たない。多くの市場で、LEEDやBREEAMのプロジェクトや公共入札における調達側の期待は、法規制より速く進んでいます。法的義務がなくても、EPDのない製品は炭素を重視する入札で不利になったり、除外されたりする可能性があります。
  • 検証を受け、最新の状態に保つ。EPDの有効期間は通常5年です。一度きりの証明書ではなく、製品の配合が変わったときに更新が必要な、継続的に管理するコンプライアンスデータとして扱うべきです。

EPD対応の実践ロードマップ

ステップやることポイント
1販売先の市場を整理する製品をどの国・地域で販売しているかを把握する
2各市場の要件を確認する適用される規格と調達要件を確認する
3影響の大きい製品を優先する鉄鋼、コンクリート、断熱材などの資材から着手する
4EPDを維持・更新する5年ごと、または製品に変更があった時点で更新する

Zeveroによる支援

EPDへの対応は、製品単位の環境データから始まります。ZeveroのEPDプラットフォームは、主要な市場の枠組みの要件を満たす第三者検証済みEPDの作成を支援します。日本の建材メーカーは、国土交通省の建材EPD補助金を活用できる場合があります。

EPD要件が近いうちに単一の国際基準に収束することはありません。実務的な答えは、どの市場が重要かを見極め、適用される規格を理解し、製品単位の環境データをサステナビリティの飾りではなく事業の基盤として扱うことです。どこから始めるべきかは、Zeveroチームにご相談ください。

よくある質問

EN 15804とISO 21930の違いは何ですか?
EPDの作成にはどのくらいの期間がかかりますか?
EPDは更新が必要ですか?
EPDがあれば、その製品が持続可能だと証明できますか?
サプライヤーがEPDを提供できない場合はどうなりますか?

お読みいただきありがとうございます。

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