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2026年 CDP報告:開示とスコアリングの実践ガイド

基礎知識
Molly Baxter
Molly Baxter
カーボンコンサルタント
2026年 CDP報告:開示とスコアリングの実践ガイド

要点まとめ

  • CDPは任意の枠組みですが、避けて通るのがますます難しくなっています。開示自体に法的義務はないものの、スコアが低い、あるいは未取得の場合、投資家や顧客の判断に影響を及ぼす可能性があります。
  • スコアリングの締切は9月16日の週です。それ以降、10月26日の週より前に提出された回答はCDPのデータ分析には反映されますが、スコアは付与されません。
  • リーダーシップ(Leadership)以上の評価を得るには、回答を公開する必要があります。非公開のままにすると、データの質にかかわらず取得可能なスコアはBが上限となります。

2026年、CDPの「キャピタル・マーケッツ・シグナトリー」(540以上の金融機関、運用資産総額110兆ドル超)は、43,000以上の組織に開示を要請しています。投資家やサプライチェーンのパートナーは、契約締結、与信、資本配分の判断を行う前のリスク評価にCDPスコアをますます活用するようになっています。これは、これまでこのプロセスに関わったことのない企業にとって現実的な問題となります。スコアが未取得または弱い場合、気候目標について話し合う以前の段階で、静かに機会の扉が閉ざされてしまうことがあります。

正式な開示要請を受けた企業、あるいは任意で開示するかどうかを検討している企業にとって、2026年に最も重要な日付は9月16日のスコアリング締切です。

CDPとは

CDPは、世界で最も広く使われている環境開示システムの一つを運営する国際的な非営利団体です。企業、都市、州・地域はこれを利用して気候変動、水セキュリティ、森林に関するデータを報告し、そのデータは開示を要請した投資家、顧客、銀行と共有されます。

CDPへの開示は任意ですが、顧客や投資家から開示を求められる場合があります。要請を受けた場合、あるいは任意で参加する場合、対応すべき事項は明確です。該当する質問票に回答し、提出内容に基づいてスコアを取得します。2024年以降、気候・水・森林の3テーマは統合質問票にまとめられており、1回の提出で3テーマすべてをカバーできます。スコアの良し悪しは、法令遵守ではなく、自社データおよびマネジメント慣行の質を反映したものです。

2026年のCDPにおける変更点

2026年版の回答に着手する前に把握しておくべき変更点がいくつかあります。

  1. 管理手数料は2026年、世界的に約5%引き上げられました。手数料には「Essential」「Foundation」「Enhanced」の3段階があり、Enhancedは同業他社10社とのベンチマーク比較分析レポートを含む、最も幅広い特典を提供します。サプライチェーンまたは銀行からの要請に応じて回答する企業は、引き続き手数料が免除されます。
  2. 中小企業(SME)は2026年、初めてAスコアを取得できるようになりました。これまでSME用質問票は、開示の質にかかわらずスコアがBで頭打ちとなっていましたが、今後はリーダーシップも評価対象となり、中小企業にも本当の意味での最高評価が目指せるようになりました。CDPは、SMEのAスコアがフル版のコーポレートAと同等ではないことを明確にしており、資本市場と密接に関わる企業にはフル版の質問票の利用を推奨しています。
  3. 海洋、プラスチック、生物多様性は2026年時点では未スコア化です。海洋関連の開示は今サイクルから新設された任意項目で、海洋への依存度が高い企業は報告を選択できますが、スコアが付与されるのは今後のサイクル以降です。プラスチックと生物多様性も同様の扱いです。
  4. 森林スコアリングの対象は7品目に拡大しました。カカオ、コーヒー、ゴムが新たに加わり、従来の牛肉、パーム油、大豆、木材と合わせて2026年に初めてスコア化されます。これら新規3品目のいずれかを、間接的にであっても調達している企業は、従来の4品目と同様のトレーサビリティおよびサプライヤーとの連携に関するデータが必要となります。

企業が開示すべき内容

CDP提出の中核をなすのは、3つのスコープにわたる排出量データです。

  • スコープ1排出量:企業が所有または管理する発生源から直接排出されるもの
  • スコープ2排出量:購入した電力その他のエネルギー使用に伴うもの
  • スコープ3排出量:購入した製品から従業員の出張まで、バリューチェーン全体に及ぶその他すべての排出。多くの場合、企業の総排出量のうち最も大きな割合を占め、その差はしばしば非常に大きくなります。

水セキュリティおよび森林に関する開示は自動的には発生しません。特に報告を要請された場合、または質問票設定の際に任意で選択した場合にのみ該当します。

CDPの気候関連質問票は、IFRS S2(国際財務報告基準のサステナビリティ開示基準)CSRD(企業サステナビリティ報告指令)下のESRS E1(欧州サステナビリティ報告基準の気候モジュール)、およびGHGプロトコルと直接対応しています。つまり実務上は、一度しっかり準備した開示内容で、複数の報告義務をそれぞれ個別にデータを集め直すことなく同時に満たせる、ということになります。

業種によっても違いがあります。金融サービス、エネルギー、化学・金属・鉄鋼などの素材関連業種、運輸などの業種には、それぞれ追加の気候関連質問が課され、業種分類によっては水や森林についても追加項目が発生します。企業は、汎用的な回答で対応できると思い込まず、CDPポータルで自社の質問票設定を確認し、どのモジュールが適用されるかを把握すべきです。

CDPスコアリングの仕組み

スコアはD-からAまであり、各段階は「開示(Disclosure)」「認識(Awareness)」「マネジメント(Management)」「リーダーシップ(Leadership)」という異なる環境成熟度の段階を反映しています。

  1. 公開範囲はある程度まで企業自身の選択次第です。回答は、企業がそれをより広く一般公開するかどうかにかかわらず、開示を要請した顧客やキャピタル・マーケッツ・シグナトリーには常に開示されます。この選択は見た目以上に重要です。CDP自身の必須基準では、リーダーシップに到達するには回答の公開が必要とされているためです。非公開のままにする企業は、基礎データがどれほど優れていてもスコアはBが上限となります。
  2. 検証要件は各段階で厳格化されます。リーダーシップに到達するには、報告するスコープ1・2排出量の少なくとも95%について第三者検証を受け、さらに少なくとも1つのスコープ3カテゴリーの検証が必要です。Aリストではさらに要件が引き上げられ、スコープ1・2の完全な検証に加え、少なくとも1つのスコープ3排出カテゴリーの70%以上の検証が求められます。
  3. 最上位レベルでは目標設定が重視されます。特にSBTi(Science Based Targets initiative)の承認を受けた短期排出削減目標は、Aリストのスコアリングに大きく寄与します。

スコアは、開示企業とその要請者に対して、また一般向けにはCDPウェブサイト上で、同じ週、すなわち11月30日の週に発表されます。顧客、投資家、融資機関がデューデリジェンスの一環としてCDPスコアを確認する企業にとって、この発表日は実質的なレピュテーション上の重みを持ちます。

CDP対応を始めるにあたって

初めて要請に応じる企業も、期間を空けて再開する企業も、今のうちに取り組んでおくべきことが3つあります。

  •  実際に何を求められているかを確認する。CDPポータルで正式な要請の有無、および気候・水・森林のどの質問票モジュールが該当するかを確認します。すべての企業がすべてのテーマに回答する必要があるわけではありません。
  • 回答期間が始まる前に基礎データを整える。スコープ1・2データは測定済み、できれば検証済みであるべきです。気候スコアリングには少なくともスコープ3のベースラインが必要です。9月の締切間際にデータの不備が発覚すると、修正の余地がほとんどありません。
  • 公開か非公開かを早めに決定し、責任者を割り当てる。公開・非公開の選択が取得可能なスコアの上限を決めるため、提出直前に決めるべき事項ではありません。回答期間が始まる前に、CDPポータルで提出責任者(Submission Lead)を指定し、協力者を早期に追加しておくべきです。

ZeveroによるCDP報告支援

質の高いCDP回答には、信頼できるデータと、スコアリング後ではなく提出前に開示のどこが不足しがちかを把握しておくことが欠かせません。ZeveroのESG報告ツールは現在CDPに対応しており、根拠となる証跡付きで設問ごとに回答を作成し、スコアに影響するデータやカバレッジの不足を事前にフラグします。専門家によるレビューは3つのサービス階層すべてに組み込まれています。

  1. CDP対応準備状況レビュー:開示を要請された、あるいは任意で開示したいものの、現状の立ち位置が分からない企業向け。プラットフォームが当年度の質問票に基づき評価を実施し、カバレッジ・根拠・データそれぞれの不足箇所のレポート、初稿となる回答案、締切までの優先順位付きロードマップを提供します。
  2. CDPフル回答代行:開示することは決まっており、作業負担を軽減したい企業向け。企業の業種に合わせてプラットフォームが回答全文の草稿を作成し、専門家レビューと複数回の修正を経て、ポータル提出可能な状態に仕上げます。
  3. CDP改善プログラム:単なる回答作成以上を求めるリピーター企業向け。上記の回答作成業務に加え、現状の評価を妨げている要因は何か、なぜか、それを解消するための優先順位付きの道筋を示すアドバイザリー層が追加されます。

すべての回答には、根拠資料への証跡が付されます。自社に適した開始点を見つけるために、ぜひZeveroにお問い合わせください。

FAQs

提出後、スコアリング締切前であれば回答を編集できますか?
キャピタル・マーケッツ・シグナトリーから開示を要請されたのに回答しなかった場合はどうなりますか?
SME用質問票の利用に規模の制約はありますか?
水セキュリティや森林に関する質問が自社に該当するかどうかはどう分かりますか?

お読みいただきありがとうございます。

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